ドラえもん映画の中には、子供たちを恐怖のどん底に陥れたトラウマシーンが数多く存在します。このトラウマ要素こそが、ドラえもん映画の魅力であったことは、以前投稿した「旧ドラえもん映画おすすめランキング」の中でも語らせていただきました。
今回は、そのドラえもん映画の中で「これはどう考えても子供向けじゃないだろ!」という恐怖のシーンをランキングでまとめました。世代的に旧ドラえもん映画からの選抜がほとんどであることをご了承ください。
※()内は作品名です。
12位:ドラえもんの拷問(ブリキのラビリンス)
ドラえもんが故障する展開は映画では何回かありますが、ブリキのラビリンスでは無実のドラえもんが電流攻めなどの拷問を受けた末に故障し、挙句の果てに海に捨てられるという、まるで極道映画のような展開に。
子供心にショッキングなシーンだったことを覚えています。その後に「のび太君にもうひと目会ってから壊れたかった」的なことをドラえもんが言うのもキツイ。壊れても意識があるまま捨てられてるんですよね……。
11位:ジャイアン&スネ夫溺死寸前(海底鬼岩城)
海底をバギーに乗って走っていたジャイアンとスネ夫ですが、次第にテキオー灯の効果が切れて息ができなくなってしまいます。そのままバギーから水底へ投げ出されてしまうのですが、そこでバギーが発した「アレ、オッコチタノ。シヌンデスカ。ニンゲンナンテ、イバッテイテモ、コウナルト、ダラシナイモノデスネ」という台詞がブラック過ぎます。
子供向け映画なのに、リアルに死が近づく展開があるとビビっちゃいますね。
10位:妖怪に変貌する先生(パラレル西遊記)
パラレル西遊記では、過去が改変されたことで人類は滅亡し、現代は妖怪が台頭した世界になってしまいます。学校があったり、出来杉君がいたりと一見すると元の世界と変わりないのですが、その中身はもう人間ではない。
パラレル西遊記は屈指のトラウマ製造機なのですが、その中のひとつに「のび太たちが人間であることに感づいた先生が、いきなり本性をあらわす」というシーンがあります。あれは本当にびっくりした。
9位:謎の存在・トリホー(夢幻三剣士)
夢幻三剣士も終始不気味な映画でもあるのですが、その中で一際異彩を放っているのがトリホーというキャラクターです。大ボスであるオドロームの側近ではあるのですが、冒頭では老人の姿になってのび太たちを夢の世界を誘い込んだり、かと思えばラストでは未来デパートの配達員になっていたり、とにかく不気味。
そのビジュアルもいかにも気持ち悪くて、いいんですよね。
8位:トカゲのスープ(パラレル西遊記)
またもパラレル西遊記からのトラウマシーン。妖怪の世界と化した現代(ドラえもんたちはまだそれに気がついていない)に帰ってきたドラえもんとのび太たちが晩御飯を食べていると、ママが「パパの大好物」だというトカゲのスープをテーブルに置く。
そのトカゲのビジュアルといい、スープの色といい非常に生々しく、狂っている世界をよく表現していると思います。
7位:階段をあがってくるママ(パラレル西遊記)
またまたパラレル西遊記でスミマセン。こちらも妖怪に乗っ取られた世界でのシーンなのですが、見出しでも書いた通り、ただママが階段を登ってくるシーン。
こうして文章で書くと簡単なのですが、その演出が完全にホラー映画の技法で怖いんです。足元だけを映し、ママへの恐怖や疑念をこれでもかと煽ってきます。
6位:エンディングの学校(夢幻三剣士)
妖霊大帝オドロームを倒し、夢と現実の世界はハッキリと区別されたはず。そう思わせての、ラストのあの学校ですよ。高い山の上にある学校。明らかにいつもの風景とは違います。つまり、夢と現実は結局ごっちゃになってしまっていた、という若干救えないオチにも考えることができます。
夢という不可思議なものがメインテーマの映画ですが、この意味深なラストがさらに「夢幻三剣士=怖い」という印象を植え付けているように思いますね。
5位:幻覚を見せる木(宇宙漂流記)
正直なことを言うと「宇宙漂流記」はストーリー自体をあまり覚えていないのですが、ここで取り上げるシーンだけは鮮明に覚えています。
幻覚を見せる星に漂着したドラえもん一行。そこにいた人面樹みたいな宇宙人が幻覚を見せてくるのですが、その見た目が明らかに子供向けじゃない。あんなの見たら子供は泣きますよ。触手がウネウネ気持ち悪いですし、しかも追いかけてきます。
なかなかクレイジーな展開です。
4位:地下のラビリンスの入り口(ブリキのラビリンス)
かなり有名なトラウマシーン。僕も子供の時にこのシーンで泣きました。
天国のような場所だったブリキンホテルの地下に、あんな恐ろしいものがあるというギャップがキツイんですよね。しかもその時点ではラビリンスがどういうものなのか全く謎なので、ただただ恐怖でしかないんですよ。
のび太も本気でビビってるので、共感性が高い子供は怖さ倍増なんじゃないでしょうか。
3位:メデューサメジューサ(魔界大冒険)
おそらくドラえもん映画史上最恐の敵。
その幽霊のような挙動や、恐怖を煽る風貌。何より恐ろしいのは、タイムマシンで現代に帰ってきて一安心と思いきや、4次元空間を通って追いかけてくるという掟破りの行動。
何となく「タイムマシンで帰ってくれば大丈夫」と思っていたので、当時あのシーンは衝撃でしたね。今見ても普通に怖いシーンです。魔界大冒険は全体的にホラーシーンが多め。
2位:ドロドロに溶けて死ぬしずかちゃん&のび太(夢幻三剣士)
ドラえもん映画で最も洒落にならないシーン。
ゲームの世界とかではないんですよ。しかもこの時点では夢と現実が入れ替わってるので、夢オチでもないわけです。ただ普通に敵と闘い、そして殺されます。しかもその死に方もドロドロに溶けて死ぬという表現を和らげてんのか、酷くしているのかわからない感じに。
結局はドラゴンの風呂に入っていたおかげですぐに生き返るのですが、それでもドラえもんのキャラがで一度は完全に死ぬというのはショッキングでした。
1位:ノア計画・大洪水(雲の王国)
どこでもドアで帰ったら、いつも住んでいる街が、天上人が起こした大洪水によって全て流されてしまってるシーン。直前まで武田鉄矢の良い曲が流れていたのに、その後にこのシーンなのがキツイですね。
のび太がママを呼ぶ悲痛な声や、黒雲に覆われている世界など、恐怖心を思い切り煽ってきます。物語の中核を担うシーンだけあって制作スタッフの気合が窺えるのですが、それだけ絶望感がストレートに伝わってくるシーンでもあります。
余談ですが、このタイミングで故障したドラえもんが治るので、その心強さがひしひしと伝わってくるシーンでもあります。逆に考えると、ドラえもんが故障していたということも、不安を感じさせる要因となっていたのかもしれません。
終わりに
「おっさんのための旧ドラえもん映画おすすめランキングTOP10」に引き続いて雲の王国が1位になってしまいましたが、別に贔屓ではなく、純粋にシーンを単体で見た時に感じた恐怖心や絶望感で比較したつもりです。
こうして大人になって振り返ってみても、やはり怖いなーと思うシーンが多いですね。ただこういう恐怖シーンが結果的に感動的なシーンなどのアクセントになってるので、個人的には欠かせないと思っています。
余談ですが、映画全体で見ると「夢幻三剣士」が一番不気味でおすすめです。恐怖を味わいたいかたは是非。
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