積極的な読書をするための4つの方法『本を読む本』

IMG_0418

読書術の名作古典と名高い『本を読む本』を読みました。原題の『How to Read a Book』をこのように訳したのはセンスを感じずにはいられない。正直なところ、タイトルの不思議さに釣られて買った部分もあったり。

タイトル通り、この本は「本の読み方」に関する手引書です。本書では、良い読書とは読み手が意欲的に本に働きかける「積極性の高い読書」であるといいます。

また積極的読書には4つの段階があり、第一に全ての読書の基礎となる初級読書、第二に本の大枠を掴むための点検読書、第三に全体の内容を正確に把握する分析読書、最後が2冊以上の本を比較して読むシントピカル読書。これらの段階を踏んで読書をすることで、真に学びの多い読書が可能になるということですね。

今回は個人的に興味深かった「積極的な読書に必要な要素」について紹介していきたいと思います。

積極的な読書とはなにか

読書というと、感覚的に受け身なものと考えがちです。しかし著者は「受け身の読書」は間違いだと言います。本に対しては読者が積極的な姿勢を持つことが大切で、それが真に優れた読書であり、そうすることで初めて優れた読み手になることができると指摘します。

読むということは、程度の差こそあれ、ともかく積極的な行為だが、積極性の高い読書ほど、良い読書だということをとくに指摘したい。

確かに「読む」という行為には必ず受け身な部分が存在します。ただ受け取る側も単に文章を読むわけではなく、書かれていることを解釈し、正確に掴んでいく技術が求められます。また著者の主張に対して疑問を持ってみたり、自分の言葉で要約してみたりと、読み手の側から本に対して働きかけられることは意外と多く存在します。

そのように本をただ読むだけではなく、自分の頭を使って積極的に働きかけることが、正しい読書だというのがこの本の中核です。では具体的にはどういったことをすれば「積極的読書」をしたことになるのでしょうか。本書に書かれている内容からいくつかあげてみたいと思います。

難しい本から逃げ出さない

読書家にとって悩みのタネになりやすいのは、理解できない本に出会ったときでしょう。誰だって本はスイスイ読みたいものです。難解な本を読んだ時の各駅停車のような読書はストレスが溜まりますからね。

ただ本書はむしろ難しい本に立ち向かう(と言うと大げさですが)ことを推奨しています。それも単に読むのではなく、辞書やGoogle大先生に頼らず、まず自分の力だけで読んでみることが肝要なのだとか。

自分の理解を越えた本を読む時こそ、読み手はいっさい外からの助けに頼らず、書かれた文字だけを手がかりに、その本に取り組まなければならない。

「読んでいる本が難しい」ということは、逆に考えれば「その本の中には未知の情報が溢れている」と言うこともできます。そういった本こそ多くの学びを秘めている本であり、積極的に読むべき良書である可能性が高いというわけですね。

library-488677_640

ただ言いたいことはわかりますが、そもそも理解できないことが多過ぎたら全体の内容も掴めないじゃないか、と思う僕のような人もいるのではないでしょうか。しかしそういった点にもしっかり触れてくれているのがこの本の親切なところです。

そういった理解できない単語や事象が出てきた場合は、前後の文脈から推定することが求められると著者は言います。パズルが完成していくにつれて、どこに何をはめればいいかがわかってくるように、前後の文章もしくはパラグラフの内容からわからない箇所の意味を掴むことが、読書には大切なのです。

それには、「前後の文脈のわかっている単語を残らず動員して、わからない単語の意味をつかむ」ことである。回り道のようでも、どうしてもこの手順を踏まねばならない。

また時には推定が誤っている場合があるかもしれません。しかしこれもパズルと同じで、間違った箇所にはめていた場合でも完成に近づくに連れてそれに自ずと気がつくことができます。読書も同様で、仮に推定が間違っていても、読み進める中で矛盾に気がつくので結局はそれも問題にならないということですね。

このように考えると、難しい本も急に取っ付き易くなったように感じないでしょうか。わからない箇所があったからってその都度調べることはせずに、とりあえず妥当な意味を当てはめてどんどん読み進めていいわけです。僕たちは難しい本に対する理解力が欠けていたわけではなく、もしかすると単にそういった本の読み方を知らなかっただけなのかもしれません。

本に対する「問い」を持つ

長時間読書をしていられる人と、30分も続かない人の違いはどこにあるのでしょうか。また本を読むとすぐに眠くなってしまう人と、そうでない人の違いはどこにあるのでしょうか。

それはひとえに「読書に対する目的意識があるかどうか」だと著者は言います。昔の読書家たちがなぜ朝から晩まで熱心に読書することができたかというと、それは読書をするということが非常に大切な時代だったから、というのは大きな理由でしょう。インターネットの無い時代には、本を読むことは非常に大きな意味を持っていました。積極的にならざるを得なかったわけです。

だからこそ今を生きる僕たちは、より明確で力強い目的意識を読書に対して持たないと、すぐに他の面白いアレやコレに脱線してしまいます。そのために効果的なのは、本に対する「問いかけ」を持つことだと言います。

意欲的な読者と、意欲的でない読者の相違が生まれるのもここなのだ。意欲的な読み手は問いかけをする。意欲的でない読者は問いかけをしない――だから答えも得られない、ということになる。

本を読もうと思って手にとったなら、絶対にそうするに至った理由が何かしらあるはずです。例えばこういった読書術の本であれば「変なタイトルだけど、この本は全体として何を言おうとしているのか」「どういった読書方法が効果的なのか」といった部分が気になったから読むに至っているわけです。そして読んでいる最中は、その問いに答えてくれるような箇所を探すように読みます。

こうやってガツガツと読むことが積極的な読書であり、集中を維持するために必要な要件なのです。

本に書き込む

本に書き込みをするか、しないかは極端に別れるところですが、この本のテーマでもある「積極的読書」では書き込みを推奨しています。

自分の血肉とする最良の方法――それが行間に書くことなのだ。

僕自身も紙の本を読むときはボールペンが側にないと落ち着かないぐらいの「書き込み派」なので、この部分の内容をざっくり取り上げてみます。

まずなぜ書き込みをするのかというと、本の中に自分の思考を形として残せるということがあります。積極的読書とは、別の言い方をすれば「深く考えながら読書を行うこと」です。そういった考えを忘れないためには、言語なり記号なりで本に書き留めてしまうのが最も効率的です。

female-865110_640-min

本書の中には「書き込み方の例」や「本への書き込み方」なども載っていますが、これは別に個人のやりたいように、わかりやすいようにやればいいと思います。僕は線を引いたり囲んだりという書き方をしていますし、あのヒトラーは感嘆符や疑問符を多用していたそうです。

もちろん「書き込みなんてするわけねえだろ!」という意見も大いにありです。

自分の言葉で本の内容を説明してみる

読んだ本の感想を聞かれても、どこに感銘を受けたのか、どのあたりが面白かったのか、まともに答えられない人は多いです。残念ながらそれでは文章を目でなぞっただけで、正しく本を読んだとは言えません。

命題(内容)を正しく理解できたかどうかを把握する方法としては、受け売りではなく自分の言葉で本を説明してみることが最も簡単で効果的です。インプットをアウトプットに変えるということですね。

「自分の言葉で言いかえてみる」、文中の命題が理解できたかどうかを判断するには、これが一番良い方法である。

自分がペラペラ説明できることは、根っこの部分から理解していることに限られます。

個人的にはブログにこうやって書くのが最もおすすめですが、それ以外でもレビューサイトなどで簡単にまとめてみるのもモチベーションが上がっていいかもしれません。とにかく「読んだ」で終わらせないことは大切です。

本から学ぶための基礎を作ってくれる本

読書の教科書」というのが読後に浮かんだ言葉でした。読書をしたいと思う人、日頃から読書に勤しんでいる人は、何よりもまずこの本を読み、自分の読書方法を省みておくと、より深い読書体験ができるのではないかと思います。

今回は個人的に気になった「積極的読書に求められる要素」に限定して取り上げましたが、本書はかなり内容が濃いです。特に「点検読書」と「分析読書」についての部分は一読の価値ありだと思います。読書に対して迷った時にまた開きたい本です。

SNSでもご購読できます。