「インターネット」と「本」――それぞれから得る情報の違いとは

「情報」と一括りに言うものの、それを得る手段は無数にあります。いろいろな方法の中で、個人的に主要なものが「インターネット」と「本」。そしてふと考えたのが、「インターネットから得る情報」と「本から得る情報」には違いがあるのだろうか、ということ。

同じ情報を求める時でも、インターネットを通して調べるときと、本を通して調べるときは、微妙な差異が存在するように思います。そして具体的にどう違うのか、ということが書いてあるのがこの記事というわけであります。

インターネットでは知りたい情報しか知り得ない

インターネットによる情報収集の魅力は、その情報に到達するスピードの早さです。知りたい検索ワードでググれば、一番上に疑問を解決してくれるサイトが表示されます。また複合検索を行えばさらにピンポイントで知りたい情報に到達できるので、本はこの点ではインターネットに勝てないでしょう。

しかしメリットは、裏返せばデメリットにもなるものです。最速で情報に到達できるということは、「自分の知りたい情報しか知ることができない」と考えることもできます。「マーケティングの神様」と呼ばれたフィリップ・コトラーは、人が情報を認知するときには3つのバイアス(偏見)が存在すると提唱しました。

  1. 自分の聞きたいことしか聞かない(見ない)
  2. 自分の都合のいいように解釈する
  3. 自分の憶えたいものだけ憶える

インターネットで情報を得る時というのはまさにこの状態に陥りやすいです。素早く、ピンポイントで情報に到達できることから、それ以外の情報が介入してくる余地が無いのです。これの何が問題なのかというと、視野が広がらず、他の分野に興味を持つきっかけを失うことになってしまいます。

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またインターネットの情報は「時に正確性に乏しい」という欠点もあります。今の時代だと嘘の情報をブログなどで書いてしまうとすぐに炎上するので、書き手も信ぴょう性のある情報だけを書くように気を使っているとは思いますが、それでも穴があるのがインターネットの世界です。

「嘘を嘘と見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」とは、元2ch管理人の西村博之さんが言い放った有名な言葉ですが、かなり的を射ていると思います。自分で情報を見極める能力が無いと痛い目を見るのがインターネットという場所です。

本は視野を広げることに繋がる

今度は本から情報を得るときのことを考えてみしょう。本にはインターネットのように、素早く情報に到達できるような素早さはありません。しかし先ほども言ったように、逆にこれをメリットと考えることもできます。

まず本にはあまり主題とは関係ないような情報が書かれていることも多いです。例えば以前にブログで取り上げた『「怒らない」選択法、「怒る」技術』は後半に入るに連れて個人の政治的な考えを中心として展開されていきましたし、最近読んだ『自分のアタマで考えよう』という本も、全てが思考技術に関する内容というわけではなく、経済や社会などを筆者の観点から見ていく部分が多いです。もちろんそれらを通して主題に触れてはいるのですが、少し悪い言い方をすれば増長とも取られかねない記述もあるものです。

しかし個人的にはそういう部分が本のメリットであると考えています。それらの一見関係ない部分も自分の視野を広げ、異なる分野に興味を持つきっかけになるからです。

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また情報の正確性は折り紙つきでしょう。プロが校正・校閲した上で出版されているわけなので、そこに掲載されている内容は信頼に足るものだと考えていいはずです。その安心感も本のメリットです。

インターネットと比べると、本から情報を得るという作業にはかなりゆとりがあるように思います。ただそのゆとりによって自分の視野を広げる事に繋がるので、一概に悪いとも言えないのです。

必要なのはそれぞれを状況によって使用するスキル

インターネットと本という2つの媒体からの情報収集について語ってきたわけですが、ありきたりな結論に至るなら「双方を組み合わせていくことが重要」なのだと思います。

例えば僕は今こうしてパソコンで記事を書いているわけですが、そういう時はすぐに調べ物ができるインターネットはかなり便利です。いちいち本を探してきて「あの内容はどこだったかなー」なんて調べるのは時間がかかって面倒ですからね。こういう感じで「他の作業のサポートとしての情報収集」の際にはインターネットは非常に有効です。

それに対して本は「純粋に知識を増やしたい」という時に有効だと思います。他分野の知識に触れたい時には、本はその足がかりとなってくれます。もはや勉強的な意味合いかもしれません。

このようにケースバイケースで情報との触れ方を変えていくことが賢いやり方では無いでしょうか。どちらが良い・悪いではなく、このようにさまざまな媒体を状況によって使いこなしていくことが、モノや手段にあふれた現代で求められるスキルなのだと思います。

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