内向型は、悪いこと?──『内向型を強みにする』

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「内向」という言葉は相変わらず否定的な意味で使われている。試しに辞書で「内向性」という言葉を調べてみると「興味や関心が自己の内面に向けられ、主観的、内気・孤独で思慮深い反面、実行力・社交性に乏しい性格」などと書かれている。

では「外向性」は? と思って調べてみると「興味や関心が外界に向けられ刺激に敏感に反応し、決断が速く、行動的で社交的な性格特性」と褒めちぎりだ。内向性の項にはあった否定的な言葉は全く書かれていない。

「なんだこの差別は!」と内向型の僕は喚きたくなるところだが、ただこの結果は社会における「内向的」と「外向型」に対する認識をそのまま現しているようにも見える。

しかし、内向型と外向型というのは互いに存在するからこそ均衡を保てているのであり優劣を決めるのがそもそも間違っている、と言うのは『内向型を強みにする』の著者である。それはちょうど男と女のようなものなのだという。

自然界の安定はしばしば、相反するふたつの力の緊張によって保たれている。敏捷(びんしょう)なウサギと、動きの遅いカメ。内向型と外向型。男と女。思考と感情。

内向型と外向型の違いは「エネルギー源」

内向型人間と外向型人間はどの点で異なるのか。それは「どこからエネルギーを得るか」という部分にあるという。

外向型の人間は、その名称通り「外の世界」からエネルギーを取り込む。例えば人と会話をすることは外向型が最も好むことだ。とにかく人や物に囲まれて活動をしたがる。それが彼らにとって最も効率的にエネルギーを得る方法だからだ。

それとは反対に、内向型は自らの内側からエネルギーを得る。物事をじっくりゆったり考えたり、誰もいない静かな空間にいたりすることが内向型にとっては何よりの休息となるのである。

それだけの違いなのに、なぜ内向型は否定的な見られ方をするのだろうか。それは内向型人間は誤解されやすいということに原因があるようだ。

内向型人間はあまり多くを語りたがらないが、それは物事を熟考してから口に出そうとしているからだ。また人付き合いに関しても、親密な関係の人との深い会話を求める。それがメリットになることもあるのだけれど、外向型人間から見るとそういう点がまさにウザがられるというわけだ。

わたしたち内向型は、彼らを怒らせる。なぜなら、出し惜しみしているという印象を彼らに与えるからだ。また、わたしたち内向型は、彼らを恐れさせる。なぜなら、無駄話もしなければ、彼らの求めるかたちの人づきあいもしないからだ。

つまり、実際には少しだけエネルギー源やアンテナが違うだけであり、どちらが良いというものではない。何も外向型だから必ずしも偉いというわけではなく、内向型だって大きな強みを持っている。内向型だからと言って自分を責めることは無いし、いわれのない非難を受ける要素など無いわけだ。

内向型人間は自分の強みを理解しよう

では内向型人間だけが持っている強みとは何なのだろう。

ひとつには共感性が高いことがあげられる。言葉のひとつひとつを深く考えてから口に出す。「これを言ったら相手はどう思うだろうか」と常に考えているので、場合によってはそれを口に出さないということもあるほどだ。内向型人間はまず自分の内面に集中するという特徴から、他人の身になって考えることに長けているのである。

内向型人間は自己中心的であるどころか、むしろその正反対であることが多い。内部の世界に集中して、自分が感じ、経験していることを深く考える能力は、外部の世界と他の人間を理解する助けとなる。自己中心的と見えるものが、実は、他人の身になって考えることを可能にする天分そのものなのである。

またそういった慎重さも強みと考えることができる。外向型人間は常に活動的だが、それゆえの危うさというものもある。内向的はひとつの発言や行動に時間がかかることが多いが、そのぶん確実で質の高いものを生み出しやすい。

大切なのは内向型も外向型もそれぞれの性質をよく理解して補いあっていくことだろう。外向型の常に活動的な部分は優れた才能だが、それも続くと混乱したり暴走したりしてしまう。それをうまい具合に調整できるのは内向型の人なのだ。また内向型もずっとひとりでいれば偏った人間になってしまうので、時には外に目を向けることも必要だ。そういう時に手を引っ張ってくれるのは外向型の人なのである。

冒頭でも言ったように僕自身も内向型を自覚していて、本書の中の診断をやってみても結果は典型的な「内向型」だった。特にそれがコンプレックスというわけでもなかったけど、やはり外向的な人に対する憧れや引け目は持っていたように思う。

そのように考えている人は多いと思うけど、この本はそういう性質を「人それぞれ」という考え方にシフトできる一冊となっている。自分を知り、他人をも知るきっかけになってくれる本である。

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