あのメンタリストに学ぶ『人を操る禁断の文章術』

北川景子の旦那じゃない方です。

メンタリストでお馴染みのDaiGo氏の著書。正直テレビでのパフォーマンスを見ていた時は胡散臭いと思っていたのですが、この一冊を読む限りでは、やはり心理学に対しての深い見識と洞察がある方なのだと感じました。ブログで文章と関わる事が多い人間として、勉強になる部分は非常に多かったです。

禁断の文章術とタイトルで謳っているように、あくまでも「人に読ませるため」ではなく「人を操る」ということを重視した文章術の本。そういうわけで今回はなかなかゲスい内容になりますが、ご容赦ください。

会話ではできない、文章のみが持つメリット

会話と文章とを比較した時に、文章だけが持っているメリットがあります。それは受け手のイメージをコントロールし、行動を自分の思うがままに操りやすいということ。

一見すると文章より会話の方が五感で情報を伝えることができる分、より優れているように思ってしまいます。しかし「人を操る」という点においては、会話は話し手の容姿や身振り手振り(視覚)、声の抑揚や言葉選び(聴覚)など気を配らなければならない部分が多すぎるため、難易度が高いのだとか。

その点で文章というものは、会話と比較すると五感に頼る部分がかなり少ないです。そうなると書き手は文字が与える情報のみを考えればいいので、結果的にイメージ操作がしやすいのです。

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人間は与えられた情報が少ない時に、それを自分の都合のいいように解釈するという性質があります。その性質を文章なら上手く突くことができるのです。

文章に「遊び」を持たせる

ここで言う「遊び」とは、車のハンドルに設けられているような「緩み」や「隙間」のことですね。ゲーム的な遊びではありません。

どういうことかというと、文章というのは伝えたい事を懇切丁寧に書くよりも、わずかに読み手が想像できるような余地を残してあげたほうが印象に残りやすいということです。

有名なキャッチコピーには、往々にしてこの性質が備わっています。 例えば非常に有名な

「そうだ 京都、行こう」

というキャッチコピー。これがもし、

「京都へ行くなら、JR東海の新幹線を!」

みたいなガツガツしたキャッチコピーだったら少し引いてしまいますよね。それとは逆に「そうだ 京都、行こう」というキャッチコピーは余韻がタップリで、新幹線で京都旅行へ向かう自分の姿を想像させます。

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確かに情報がタップリ詰まった文章はわかりやすいのですが、イメージが文章の中で完結してしまっているので、読み手の頭の中には残りません。それに反して遊びのある文章というのは、イメージを掻き立て、人に行動を起こさせるような魔力をもっているのです。

人に進められて行動するよりも、自分の心の奥から湧き上がってきた感情で行動したいのが人間ということですね。

最初に上げて、途中で下げて、最後にまた上げる

見出しの「上げて、下げて、また上げる」というのは、世界中の映画で非常によく使われるパターンです。

「幸せの絶頂だった主人公が、突如の転落人生……。そこから這い上がっていくサクセスストーリー」

こう聞くと、いくつも当てはまる映画がイメージできそうですね。

では何故そのパターンの映画が多いかというと、それが人を感動させる黄金パターンだからです。例えそれがお決まりのパターンと理解しても、やはり感動してしまう。そういったパワーがあるわけです。

「感動」とは、文字通り感情が動くことを言います。つまり人は感情が上下に動くときに、心に残ったり響いたりするということですね。その上下の振り幅が大きいほど、感動の度合いも強くなるのです。

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もう言うまでも無いとは思いますが、これは文章に当てはめても同じということです。冒頭でポジティブな内容を持ってきておいてから、途中で少しネガティブな内容を持ってくる。しかし最後はハッピーな内容で締めくくれば、それだけで心を揺さぶる文章が書けてしまうというわけです。

本書の中では、このテクニックをラブレターやビジネス文書で使っています。もちろん使い方によってはブログでも活かせるでしょう。

同じことを表現を変えて繰り返す

例えばあなたが何かしら商品のセールスレターを書くときに、当然するべきことは文章で商品の価値を伝えることです。しかしいくら良さを伝えようと思っても、「この商品は便利なんです!」ということを何回も繰り返し言われたら、読んだ人はウンザリしてしまい、誰も買ってはくれません。

本書によれば、人間は同じ言葉を3回以上繰り返して言われると、その対象への興味を失ってしまうのだとか。

別の実験では「繰り返す」において、やってはいけない致命的な失敗があることも明らかになりました。  それは同じ言葉を3回以上使うことです。

しかしだからと言って「繰り返す」ということをしないと、説得力に欠ける文章になってしまうのも事実です。その時に有効なテクニックが、同じ内容を言い回しを変えて繰り返すという方法です。

さらにそういう時に便利な「類語辞典」というものが存在します。ネット上で使えるので、ブックマークしておきましょう。

Weblio辞書: 類語辞典・シソーラス・対義語

例えば先ほどの「便利」という言葉ひとつでも、類語辞典で検索してみると「重宝する」「役にたつ」「利便性に優れる」「有益な」「有用な」などなど、ありとあらゆる異なる言い回しがヒットします。

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同じ意味合いでも、言葉を変えて繰り返せばしつこさを感じさせません。それでいて相手にはその裏にある「この商品は便利」というイメージは植え付けられていきます。

これはブログでも非常に使えるテクニックです。と言うか、日頃から僕も使っています。特に人を操ろうとかいう魂胆は無いですが、文章のクドさを無くしたいという時だけでも重宝する方法です。

終わりに

他の文章に関する本と違い、人を操るということをメインに据えている本書。しかしこれは洗脳などの類の話ではなく、あくまで読み手の心理を読み、求めているものに誘導してあげるためのテクニックです。「読者に価値を提供する文章を書く」というところは他の本と共通する要素でしょう。

人の心を意のままにしたいという野心をお持ちの方は一読を勧めます。もちろん単に文章力を上げたいという人も見どころは多いですが。ブログに限定せず、ビジネスやSNSなどでも有効な内容が多いです。

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