『女の子が死ぬ話』を読んだ話【読書感想】

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かなり突き抜けたタイトルの漫画『女の子が死ぬ話』を読みました。

タイトル通りの内容ではあるのですが、その女の子の死に至るまでの描写が少し特殊な点で異彩を放っています。心にジワジワと響く漫画でした。

『女の子が死ぬ話』は女の子が死ぬ話

高校に入って、初めて出来た友達は、出会って数ヶ月で死にました――。少女漫画のような青春に憧れる少女・千穂は高校入学初日に同じクラスの和哉・遥と知り合い、意気投合する。和哉への淡い恋心を抱きながら充実した高校生活を過ごす千穂。しかし、彼女は知らなかった。親友の遥が不治の病に冒されており、あと数ヶ月しか生きられないことを…。

言ってしまえば王道のストーリー。高校で出会った千穂、遥、和哉は次第に親友になっていきますが、あるとき唐突に遙の死を知ることになります。遙が死ぬまでの学校生活と、その後の生活がメインとなって展開されていきます。

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それだけ説明すると単なるお涙頂戴ストーリーになってしまうのですが、この漫画がそれに留まっていないのは作者の手腕によるものだと思います。

死の残酷さを表現するための構成

この作品の最大の特徴は、ストーリーの構成にあります。

物語は全7話構成。6話までは遥の死と、残された千穂と和哉の学校生活を中心に展開されていきます。最初は遥の死を受け止められない二人でしたが、次第にそれを乗り越えて大人になっていくという、それだけでも綺麗にまとまるような内容です。

しかし最終話である7話はそこから時間を巻き戻して、病院で死に至るまでの遥の視点の物語となります。病が進行する遥の身体は次第に骨と皮だけのような姿となり、頭髪も抜け落ちてしまいます。なかなかショッキングな展開です。

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ただやはりこの7話は、綺麗に終わった6話のあとに持ってきたからこそ読者の胸に重くのしかかってくるのだと思います。対比されるからこそ、死というものの残酷さや、遥という少女の気高さをありありと感じることができます。

作者が7話を最後に位置づけたのも、それを狙っていたからではないでしょうか。人の死を単なる美談で終わらせず、その裏にある残酷な面も表現するための最終話だったように思います。

切なくも力強さを感じるストーリー

タイトルで盛大なネタバレをしておきながら、構成や描写で変化をつけてきた作者は凄いと言わざるを得ません。

この作品は一度読んだら読み返してみることをおすすめします。あらためて読んでみると、自分が死ぬとわかっていながら毅然としていた遥の姿は胸に迫るものがあります。言葉の節々にも意味があるものが多く、読む度に気がつくような心情も多いです。

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