アウトプットの重要性と本を読む意義──『読書は「アウトプット」が99%』

読書方法関連の本を探していたところ、良さげなタイトルの本があったので一気に読んでみたった。

「面白かったはずの本の内容を説明できない」「一週間もすれば内容を忘れてしまう」――そのように、単に読むだけになってしまっている読書から脱却するためには、アウトプットが必要なのだという。例えば「人に話す」「ブログやSNSでレビューを書いてみる」などのアウトプット行為を読書とあわせて行うことにより、本から真に学ぶことができるということだ。

なぜ読書にはアウトプットが必要か

アウトプットが読書に効果的な理由のひとつとして「読む際の意識が変わる」ということがある。何故かと言うと、アウトプットを前提にして本を読み進めていくことで「何か使えそうな情報は無いか」という意識が生まれるからだ。例えば自分の場合は、まずブログに書評的なものを書く前提で本を読み進めている。そうすると無意識的にダラダラと読んでいくのと比べ、かなりガツガツした読み方となる。それが結果的に興味のある部分や面白そうな部分に対する感度を上げてくれているように思う。

つまりは自分の興味関心についてのアンテナが非常に敏感になるのである。

たとえば、「会社経営」をテーマに書かれた本があったとします。ふつう、経営幹部でもない一介のビジネスマンがそんな本を読んでも、ピンと来ないかもしれません。しかし、読む際の意識を変えることで、そんな本でもアイデアの宝庫になります。そして、そのアイデアを見つけられるのは、本を読みながら「この本を何に役立てるのか」というアウトプットを考えている人だけなのです。

読書の前に「まえがき」や「あとがき」に目を通しておく意義もこの点にあると思う。あらかじめ本の内容の大枠を掴んでおくと、自分がその本を通して何を知りたいかということが明らかになってくる。ボンヤリとでいいのでそれがわかった状態で読むと、関連する箇所がかなり目立って飛び込んでくる。

もうひとつの理由は、アウトプットの際に本の内容を自分の言葉に変換することで、初めてそれが自分の知識となるということだ。読書をしたところで、書かれている内容をそのまま流用していても、それは真に理解しているとは言えない。それでは暗記やパクリといった類のものとなってしまう。

その状態から脱却するためには、いちど自分なりの言葉でまとめてみることが非常に有効だ。具体的には文章化するのが最も手っ取り早いのではないかと思う。短い文章でもいいので、その本の内容から頭に残った箇所をまとめてみる。200文字程度で要約してみるのも効果的かもしれない。ここで大切なのは「自分の言葉でまとめる」ということだ。文章としてアウトプットするのは、内容を根っこの部分から理解できていないとできない。逆に言えば文章でまとめられたら、その段階で自分の知識として定着させることができたと言える。

アウトプットをするとき、本に書いてあることをそのまま伝えるだけでは、単なるパクリです。最初はそれでもいいのですが、それを実践してみてどう理解したかを付け加えると、自分の意見になり、それが自分の付加価値にもなります。

文章としてアウトプットするならブログやTwitterが気軽だしおすすめ。またブクログや読書メーターなどのレビューサービスもおもしろい。またアウトプットは文章化以外に「人に話す」ということも有効だし、ハウツー本であればそれを実践してみるというのも立派なアウトプットとなるだろう。

読書をする意義とは

ネットでほしい情報がすぐに手に入る現代で、読書をする意義に対して疑問を持つ人も多い。しかし著者はネットの情報が氾濫している今こそ本を読むことが必要だと言う。

まずネットの情報の特徴として断片的で偏った情報が多いことを指摘している。ネットでは誰が書いたかもわからない情報が、あたかも真実のように語られていることが多いのはご存知の通り。しかし本の場合はそういったあやふやな部分が極端に少ない。素性のわからない人間が本を出すということはまずありえないし、書かれた原稿も編集・校正を経て初めて出版されるわけである。それゆえに本からはその題材に対して包括的な知識を得ることができるし、その信ぴょう性も極めて高い。

もちろんネットを一方的に悪者にしたいわけではない。正しい情報を見極める能力を持っていれば、これほど便利なものは無いと自分自身も思っている。ただそのような情報の正誤を見定める洞察力も結局は本によって養われるというのである。

玉石混交の情報を精査する力は、やはり読書で養われます。濃い情報や深い情報にふれなければ、何が底の浅い情報なのかを見抜けないのです。

洞察力は情報をそのまま受け止めるだけでは身につきません。情報に対して、「なぜ?」「どうして?」「本当に正しいのか?」と疑問を持つことで、物事の本質を見抜けるようになります。本は心の中で対話をしながら読むものなので、物事に疑問を持つ習慣が身につくのです。

本の中の体系化された情報に対して、時には歩み寄ったり、時には疑問を抱いたりすることで洞察力は養うことができ、それはネットの情報にばかり触れることでは不可能ということだろう。ネットの膨大な情報に触れていれば、目的の情報を素早く見つける能力は上がるかもしれない。しかし本の利点は、ひとりの人間の思考過程を追体験できるところにある。深い思考力を養うのであれば、本を読むという行為はうってつけなのだろう。

おわりに

普段からブログで本に関する記事を書いている自分としては、思うところの多い本でした。アウトプットで読書に付加価値を生み出すという考え方には納得させられるばかり。

またアウトプットについてだけではなく、本の読み方や読書時間を確保する方法、著者が読んだ本の紹介など、読書活動全般に関する情報が詰まっている。値段の割にかなり内容は充実している本です。

SNSでもご購読できます。