深い理解力と瞬時の判断力を養うための「図解思考」

メモ帳やノートに「図解」を取り入れることの効果は常日頃から関心があったので、その理解を深めるために読んでみたのが以下の本。

この本は、あなたの頭の中の整理を助け、「図で考える」ために書かれたものです。情報を整理・分析し、構造化するための技術をお教えします。

今回は「図解でメモを取ることにどのようなメリットがあるのか」という点を中心に紹介したいと思います。

「図解」でアウトプットすることは何故有効なのか

僕を含め、ほとんどの人はメモ帳には「箇条書き」で書き込んでいくと思います。しかし本書では箇条書きでメモを取ることに潜む問題点を始めにあげています。

箇条書きメモの問題点としては「構造がわかりにくい」ということがあります。文章で1項目づつ書いていく箇条書きは、その項目ごとの縦と横の繋がりが見えづらいです。それ故に後から見返した時に何について書いてあるのか思い出せなかったり、そこに潜む矛盾に気がつけなかったりということが起こります。

箇条書きメモは多くの問題を抱えています。すべて「文字」で書かれているために、一見してその内容や要素、関係性などをつかむのが容易ではありません。そのため、中身に含まれている問題点や解決策を発見しづらいという難点があります。さらに、記憶に定着しにくいという欠点もあるのです。

言うまでも無いかもしれませんが、その問題点を解決してくれるのが本題である「図解メモ」ということですね。箇条書きが悪いということではありませんが、図解を用いることでそこの弱点を補ってくれます。

図解は構造の塊と言っていいかもしれません。図に求められる要素は「ひと目でわかる」ということです。そのためには構造的にせざるならざるを得ません。できあがる段階で、既に項目ごとの繋がりが明確な状態になっているわけですね。

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また図解を用いることで記憶に深く定着させられるというメリットも存在します。「右脳の記憶能力は左脳の100万倍」という驚愕の内容が本書には書かれています。そして非言語情報を司る右脳を活発に使うためには、他でもない「図解」が非常に効果的なのです。

ビジネスの記録方式に右脳を活用するというのは、伝達する情報量だけでなく、記憶への定着にも大きなメリットがあります。一般的に右脳の記憶能力は左脳の約100万倍以上あるといわれています。

本書の題名には「頭がよくなる」という大それたことが書いてありますが、それにも理由が当然あります。インプットしたことを瞬時に図解としてメモにアウトプットすることは、それだけで高度な思考トレーニングになるからです。受け取った情報を脳内で瞬時に構造的に捉える練習になるので、繰り返すことで複雑な問題も素早くわかりやすい状態に整理することが可能になるわけですね。言わんとすることは「ゼロ秒思考」と似た部分があるように感じます。

また僕自信が思う「図解」が持つ効果として、自分がそれを本当に理解できているのかを確認できるということがあります。例えば読んだ本の内容を図にまとめるとしたら、それは全てを正確に理解できていないと不可能です。逆に入れば図に表せないことは、実は理解できていないということにもなるのです。

図解を用いると自分の理解の度合いを正確に把握できます。また理解できていないことでも、図にしていく中で理解できるようになることもあります。こうして考えると、文字だけでなくビジュアル的に物事を考えることは大切なのだと再認識するばかりです。

では次は実践として「どのように図を書けばいいのか」という部分も見ていきたいと思います。

図の書き方は自由。しかし引き出しを作っておくとより良い

著者は図の書き方は「脳内イメージをそのままに」と言います。文章は適当に書く人でも、図解となると肩肘をはって丁寧になりすぎるきらいがあります。僕のことなんですけどね。しかしそういった形式を意識せずにシンプルに絵にすることが大切なのだとか。

自分の理解したことをそのまま絵にすることが大事です。

そういった理由もあり、基本的には「四角」と「矢印」だけの図を書くことが本書では推奨されています。この2つを駆使することで、ほとんどの図解は網羅できるからです。あくまでシンプルに理解するための図解なので、決まった形に囚われるのはよろしくないのでしょう。

例えばこんな感じ

例えばこんな感じ

ただ思考を助けるためのフレームワークを使うことは著者も勧めています。ツリー型やフロー型といった、よく見かけるアレですね。「こういうパターンの物事を考えるときは、こういうフレームワークを使えばいいんだ」とあらかじめわかっておけば、それだけ短時間に最適な図を書くことができるからです。時にはそれをアレンジしてみたり、というやり方もいいかもしれません。

フレームワークは図解通訳の強力なサポート役です。フレームワークだけで完結させるのではなく、全体の構成の中で、より情報を的確に分析、伝達するための助っ人として使いましょう。

本書で紹介されているフレームワークの一例

本書で紹介されているフレームワークの一例

ここまで見てきたように「図解思考」は、言ってしまえば「脳内のイメージを絵にする」というだけ。ただ文章で表現することに偏っている僕達にとって、物事を構造的かつシンプルに説明できる図解を瞬時に書けるようになることは、それだけで大きなメリットになり得るように思います。

何より絵で思考を表現するというのは、やってみると単純に楽しい。本書の中でも「楽しむ」という言葉が何回も出てきます。好きな文房具を揃えて、図解を楽しむことが最も大切なのかもしれません。

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