創造性を高める「スウェーデン式アイデア発想法」

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スウェーデン式アイデア・ブック』という本を読みました。ハイセンスで独創的な文化を持つスウェーデンという国が、いかにして創造性を育んできたのか。その本質を知ることができる一冊となっています。

アジアと北欧の国でありながら、日本とスウェーデンという国には共通点が多いです。スウェーデンでは家の中で靴を脱ぐし、人付き合いでもマナーというものを重視します。また国土面積も2つの国はほとんど変わりません。

共通点が多いから学べることが多いというわけでもないけど、ロシアや中国などの大国の文化よりは、少しでも似ている国のほうがヒントにはしやすいのではなかろうか。そういうわけで、スウェーデンという国に目を向けてみる意義は大きいと勝手に思い始めている次第です。

この記事ではそんなスウェーデンの独創的なアイデア発想法を、持論を加えつつもまとめていきます。少しでも創造的な活動に関わっている人なら、読む価値は大いにある一冊ではないかと。

その活動を構成する条件を取り除いてみる

新しいアイデアを考える方法として効果的なのは、ある活動に要求される基本的な条件を書き出し、そのうち1つを取り除いてみることです。

これだけではイマイチわかりづらいので、自分たちに馴染みの深い「ブログ」で例えてみよう。ブログを構成する条件とは何だろうか。

  1. 主に文章で構成されている
  2. 記事がある
  3. ネット上で閲覧できる

もっと色々あるだろうけど、多すぎると困惑するのでこんなもので。

では例えば①の要素を除いたとすると、どんなアイデアが生まれるだろうか。文章以外で構成するのだから、写真や動画を使った記事や、漫画形式で情報を伝えるような記事が考えられる。実際にそういった形式で評価されているブログは多い。

また今度は③の要素を取り除いてみる。ネット上で閲覧できないとなると、一番に考えられるのは紙媒体。そうなると、ブログで書いた記事をまとめた「ブログ本」などを自費出版することなどが考えられる。これも既に実行しているブロガーは複数いる。

このような感じで、何かを構成する条件がいくつかあるときに、それを引き算して条件を制限してみると、思わぬ発想に至ることが多いというわけです。柔軟な発想も大事だけれど、時にはそれを少しだけ縛り付けてみると思わぬ反応が起こります。

異分野から吸収する

ついつい自分が普段携わっている分野や、好みのジャンルの本ばかり読んでいませんか? 水が流れ続けていないと腐ってしまうように、頭脳にも新しい風を与えてあげないとアイデアは段々と生まれなくなってしまいます。

これは『乱読のセレンディピティ』にも書かれていたように、意識的に違うジャンルの本に恐れず飛び込むということが必要なのでしょう。アイデアは多くの場合、異分野同士の思いがけない融合から生まれます。その機会を作るためには、同じ場所に留まり続けていることは一番ダメということですね。

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新しい分野に飛び込みたい時に、雑誌や新聞はおすすめです。様々なジャンルの集合体のようなものなので。

創造性が高まる場所を見つける

人には誰にでも、「この場所だと創造性が高まる」という場所があるものです。

本書の中では「創造性の4B」として、バスルーム・バス・ベッド・バーの4つがアイデアが生まれやすい場所とされています。ただこれはあくまで一例なので、この場所にいれば必ずアイデアが生まれるというわけでもないでしょう。

大切なのは自分を振り返って、どういう環境下だと自分が創造的になれるかを理解することだと思います。そういう場所が見つかったら、そこにいる時間を増やしてみる。「その場所に行けば、自分はアイデアマンになれるんだ」と思い込んでいく。特にオシッコがしたくなくてもトイレに行くと催すように、その場所にいると自然とアイデアが吹き出すように自分自身に刷り込んでいくわけです。

怒りを抱きつつも、冷静に頭を回転させましょう。

ちなみに自分の場合は、部屋でお酒を飲んでる時が多いです。お酒を片手に、メモ帳にペンを走らせているような時もあります。傍から見たら気持ち悪い光景かも。

価値が無いとされているモノに、価値を付けてみる

江戸時代では、マグロのトロの部分は食べずに捨てられていたのをご存知でしょうか。当時は脂の多いトロを食べることは好まれず、また鮮度を保つような方法もありませんでした。戦後以降になると食文化の変化やメディアの宣伝によって少しづつ浸透していきましたが、マグロの一番美味しいところとされているトロは、戦前はまるっきり無価値とされていたのです。

これは江戸時代の話ではありますが、現代でもあり得ない話ではありません。僕たちが持っている価値観は、自分のアイデンティティのように思っていても、その実ほとんどは他人に作られていることが多い。ほとんどの人が無駄なものと考えていても、実際は大きな価値を生み出す可能性は十分にあるのです。

photo by  GotCredit

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わかりやすいのでまたブログで例えると、最近だと良くも悪くも話題になっている「note」というサービスがあります。簡単に言えば、自分が作った記事に価格を設定して売ることができるというものです。文章に限らず、画像や音声などもコンテンツとして販売できます。

「ブログ記事を売る」という発想自体はあったかもしれませんが、ほとんどの人がそれは限りなく無理なことだと思っていました。しかし一部の人には違いありませんが、それで収益を出すモデルが誕生し始めた。まさに「利益を出せないと思っていたもの」に新しい価値を付け加えたわけです。

普段は無価値と思っているようなものを、「これを利益につなげることは可能だろうか」と考えてみると、思わぬ発想に至ることがあります。

アイデアを批判にさらしてみる

「批判」と聞くと条件反射的に嫌なものと思いがちですが、アイデアは批判によって研ぎ澄まされていくものです。

あまりにも多くの人々が、他人のアイデアを批判しないように、と教えられてきました。それはまったくの誤りです。よいアイデアは批判に堪えられるものです。

むしろ危険なのは周囲にイエスマンばかりで、当り障りのないアイデアを完璧なものと錯覚すること。一見すると衝突もなく物事はスムーズに進んでいるように見えますが、生まれる発想はくだらないものになりがちです。

批判に対する向き合い方としては、「批判=人格否定」ではないということをくれぐれも忘れないようにしましょう。あくまで「アイデア」に対しての否定であって、あなた自身を否定しているつもりは相手にはありません。

またこれは批判をする側も気をつけたいことです。批判が行き過ぎて、相手の人格まで否定してしまってはただの誹謗中傷です。

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ネット上ではこの部分を理解できていないあまりに、無駄な争いに発展してしまっているのをよく見かけます。批判をする時も、される時も、心の奥底ではクールな自分を持っていたいですね。

まとめ:常識という言葉は捨てちまえ

本書で共通しているのは「従来の当たり前とされている考えを捨てる」ということです。しかし長年「それが当たり前」と思ってしまった事柄は、そうは簡単に認識を改めることはできません。

本書はそういった凝り固まった考えを捨てさせる助けになってくれるような一冊です。アイデアに詰まった時、呼び水的にアイデアを生まれさせてくれます。

絵本のような可愛らしい本ですが、内容は濃いです。

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