思考の道具箱『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』

本書はドイツで25万部を刊行したベストセラーであり、世界中で翻訳された名著である。

どういう内容の本かと言えば、タイトルにも書いたように「思考の道具箱」と言える。時にはこの本に書かれている内容からヒントを得たり、解決策を得たりするかもしれない。この本の内容に納得がいかないにしても、それが逆に自身の思考に刺激を与えて深めたりするかもしれない。本書には52章もの題目が与えられているが、それらはどれも示唆に富んでいる。ひとつのテーマを突き詰めた本ではないが、それだけに多くの人に届けられる本ではないかと感じる。

この本の読み方

まず冒頭でも触れたように「思考の道具箱」として読もう。各章には「本当の自分を知ろう」という深いテーマから、「貯蓄をしよう」という現実的なテーマまでかなり幅広く触れられている。なにかしら自分にとって興味深いページが必ずあるはずである。だから極端な話、全てを読まずに目次を読んで自身に関連するところだけ読むという方法でも構わないと思う。現に自分も最初はそうやって読んだし、それだけでもこの本の魅力に触れることは可能だと思う。

著者自身が「道具箱」と表現するからには、必要なときに必要なものだけ取り出せるような読み方が許されて然るべきである。『Think clearly』というタイトルのとおり、あまり深く考えずに自分の都合で読み進めて良いのだと思う。

本書の優れている部分

個人的に感じる点として、論理の運びが明瞭なところは素晴らしいと思う。どの章にも必ず「結論は〜」といったまとめ方や、「ひとつは〜で、ふたつめは〜である」というように核心をわかりやすくする書き方を徹底しており、著者の主張するところが非常にわかりやすい。こういった文章の運び方ができるということは著者がそれだけ自信を持って意見を述べている表れだと言える。そんなことは本を作る上で当たり前なのかもしれないが、うやむやな言い方で逃げるビジネス書が多い中で、こんなことだけでも貴重な存在だと言っても差し支えはないだろう。

取り入れつつも、反対意見は刺激に変えよう

本書は基本的には良書だとは思うが、一方でキレイごとに感じるところもあった。ただ自分と違う意見は同時に自身を省みる機会にもなるわけで、そういう点で本書を読むことが良い刺激になったとも言える。あまりこういったベストセラー本は読む機会は無かったが、想像以上に得られることが多かった。


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