思考が含まれない文章に魅力は無い / 『文章力の鍛え方』

先日のニコニコカドカワフェアでセール対象となっていた『文章力の鍛え方』(樋口裕一著)を読みました。ブログをやっているだけあって、やはり文章に関する本は好きだったりします。この本も安さに飛びついて即購入していました。「安さ」には魔力があるよね。

さて、この本は「文章力を鍛える」ということがテーマとなっていますが、読んでみるとその他の文章術の本とは少し毛色が異なっています。「文章に関するテクニック」というよりは、「文章を生み出すための思考力」に重点を置いた内容と言ったほうがいいかもしれません。

「文章力」とは「深く思考する力」

この本を読んでいくとわかりますが、文章に関する実用的なテクニックはあまり書かれていません。「文章を短くまとめる」「タイトルの付け方」などのテクニックももちろん取り上げられているのですが、そういった内容は全体の3割にも満たないように感じます。

ではどのような内容が大半を占めているのかと言うと、「思考力」に関して。どうやら筆者は「物事を色々な角度から思考することが、良い文章を書くことに繋がる」と考えているようです。それは巻末の一文からも感じ取ることができます。

「文章力がつく」ということは、「ものごとを分析し、深く考えられるようになる」ということです。

またこれとは反対に、「文章力を鍛えることが、結果的に思考力を養うことにも繋がる」とも書かれています。

しかし、会話力を鍛えるためにも、思考力を鍛えるためにも、まずは文章力を鍛えることが大事だと私は考えています。  文章で書こうとすると、しっかりとものごとを考えます。普段、深く考えないことや見えないことも、書こうとして考えるからこそ見えてくるのです。そして、実際に書こうとしてこそ、論理的にものごとを分析できます。

つまり筆者は「思考力と文章力は相互に影響しあう存在だ」と考えているように思います。

思考によって文章を生み出し、そして文章を書く過程で新たな思考が生まれる……。

こういったサイクルがあるからこそ、まず文章を生み出すことになる「思考」に重点が置かれている。それが結果的に「文章力を鍛える」ことに繋がる。これが本全体で中心となっている筆者の主張であると感じました。

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本書を「文章術に関する本」として読もうとすると、最初は面食らうかもしれません。というよりは、自分がまさにそうでした。「あれ……?文章力は……?」ってね。

ただ「思考と文章の関係性」に関しては色々と考えさせられたので、次からそれについて語ってみたいと思います。

書いた人間の「思考」があるから、文章が面白くなる

僕たちブロガーに求められていることは、ひと言で言えば「面白い記事を書くこと」だと思います。「面白い」と言っても色々な意味を持っていて、為になったり、考えさせる機会となったりする文章も面白いと言えます。何もゲラゲラ笑ってしまう文章だけを、面白いと言っているわけではありません。

そういった文章を書くときに必要なことは、やはり自分なりに深く掘り下げた考えが含まれていること、つまりは「思考の力」なのかなーと思います。

違う言い方をすれば「独創性」でしょうか。ある特定の人物の書く文章が好きな場合、その好きなる理由を考えていくと「その人にしか書けない文章だから」という結論に至ります。その人の独自の視点や思考で捉えられて生まれた考えを、文章を通して触れられる。だから面白い。そう考えているのです。

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「文章力を鍛える」という本で、著者があえて思考の重要性を説いていたのはこういった理由だからでは無いかと思います。深い思考によって生み出されることが、面白く、読ませる文章を書くことに繋がる。だから思考力と文章力は切り離せない、と。

先ほども言った通り、「文章術に関する本」という認識で読み進めると肩透かしを食らう本かもしれません。ただ「思考力を鍛えることによって、同時に文章力を鍛える」という著者の考えを読み取ることができれば勉強になる本です。文章力に繋げることができますし、日常のあらゆるシーンで「思考」の機会があることに気づくことができます。

若干異色な文章に関しての本。少し違ったアプローチから文章について考えたい人は、読んでみると面白いと思います。250円と格安です。

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