ウケる文章を書くために意識したいこと──『必ず書ける「3つが基本」の文章術』

文章を書くのは苦手ですか? 簡単に書くコツは「3つ」を意識すること。 これだけで小論文や仕事の報告書、ブログ記事などどんな文章も短時間で、 しかも他人が唸る内容に仕上げることができます。

「何を」「どのように」「どう構成して書くか」という3要素がわかれば文章はスムーズに書ける、というのがこの本の要点となっている。

個人的には「第二章 どう書くか」の「第六節 読み手が笑いながらうなずいている、そんな文章書いてみませんか。」という箇所に思うところがあったので、ここを掘り下げて好き勝手に書いていこうと思う。

文章でも笑わせるには

抱腹絶倒とまではいかなくとも、文章には「クスッ」と笑えるようなユーモアを感じさせる部分が少しはあったほうがいいと思う。しかし言うのは簡単だけれど、実際にやるとなるとそれはなかなかに難しい。会話では身振り手振りや表情で笑いを誘えるけれど、文章にはそれがない。なにより明らかにウケ狙いの文章ほど寒いものはない。そういった点で難しい。

本書の中にはそんな「ウケるための文章」を書くためのコツが書かれている。その中のひとつが「たとえ」だ。つまりは比喩。

比喩の効果として、読み手が理解できた時に強い共感が生まれることがある。また例え方によっては文章全体の雰囲気をほぐしたり、逆に引き締めたりもできる。

引用の引用になってしまうけれど、本書の中で村上春樹氏の虚しさの例えが紹介されている。

「大学でスペイン語を教えています。」と彼は言った。「砂漠に水を撒くような仕事です。」

ここで言いたいのは「マイナー言語を教える仕事に付きまとう孤独」ということだ。しかし、それをストレートに言ってもいまいち伝わりが悪い。そこであえて遠回しであろうと比喩を使ってみることで、その人の仕事にまつわる孤独をよりわかりやすく感じることができる。なにより理解できた時におもしろさ・おかしさを感じてしまう。

孤独と書かれてもどう孤独なのか、この言葉の語釈以上の理解はできません。虚しいと書かれてもそれだけでは辞書にある「意義や中身がなく、満足を感じられない」といったことをぼんやり思い浮かべるぐらいです。

また「一般論に逃げない」ということも必要だと著者は言う。

スポーツマンはさわやかだとか、子どもは正直だと書いたところで、多くの人は何の関心も示さないと思います。そこにあるのはありふれた社会通念でしかありませんし、あまりにも一般論でありすぎるからです。

このあたりの考えは共感できるように思う。炎上や批判を恐れて最終的に当たり障りのない結論にいたっている文章は、波風を立てることもないが、同時におもしろみも無くしてしまう。それならば「日本死ね!」 と汚い言葉を吐いて大論争を起こそうと、社会に影響を及ぼしているぶん後者のほうが意味を持っていると思う。

話が逸れ気味だけれど、ウケる文章にもそういった「自分独自の視点」を表現することが必要なのだろう。書き手の視点が斬新であるほど、読み手に与えるショックは大きい。それが喜怒哀楽のどういった感情を呼び起こすかはわからない。ただ、確かなことは当たり障りのない文章は感情を揺さぶることすら無いということだ。

おわりに

文章でも笑いを取りたいのであれば、ひとつは「比喩を駆使すること」が効果的なのかもしれない。ユーモアのセンスが高い人は、同時にたとえ上手な人も多いですし。比喩表現に関する本であれば『レトリック感覚』が神がかっているのでおすすめです。

もうひとつは「独自の視点を文章に混ぜ込む」こと。これが無いと読み手に何らかの感情を喚起させることは難しい。

どちらも言うのは簡単だけれど、意識していないとなかなかに難しい。自分も精進していきたいと思います。

SNSでもご購読できます。