『親指シフト』というものを恥ずかしながら今日知りました。聞けばなんとそれは極めるとタイピング速度が2倍にもなるという画期的なタイピング方法とのこと。
作業の効率化は僕が非常に興味を持っている分野なので、詳しく調べてみました。
▼目次
『親指シフト』ってなんなんだ?
Vingowにてこちらの記事を拝見させていただいて「何だろう」と思ったのがきっかけでした。
冒頭でも触れた通り『親指シフト』というのはキーボードのタイピング方法の一種ということ。もしくはかな入力に最適化されたキーボード配列と言ったほうが正確かもしれません。
その歴史はなんと1979年にも遡り、富士通が当時日本人にとって非効率だったキーボードの最適化を図るために生み出されたものなのだそうです。
『親指シフト』のキーボード配列を見てみよう
こちらがその親指シフトのキーボード配列。
正確にはこの配列は親指シフトを改良した「NICOLA規格」と呼ばれるものらしいのですが、この場では詳しい説明は割愛します。
普段ローマ字入力をしている人には意味がわからない部分がたくさんありますよね。
- 1つのキーに2種類の文字が書いてある。
- 場所によっては3文字も書いてある。
- そもそも一番下の「親指右 変換」「親指左 無変換」って何だ。
謎が多いですが、実はこの文字配列は日本人の文字入力の特性から最も楽チンだと考えられている配列なのです。
『親指シフト』で文字入力をするには
親指シフトを使用するにはソフトのインストールが必要になります。
Windowユーザーであれば「やまぶきR」というソフトが鉄板。導入・設定方法はこちらのサイトは非常に参考になります。
とりあえず自分のPCで試すだけならUSBメモリにインストール必要は特に無いです。外出先でも使用したい時はUSBメモリを持ち歩くのがいいと思いますが、セキュリティ的に問題が無いか注意しましょう。
また上記の「ものくろぼっくす」さんではMacで親指シフトをインストールする設定などの記事もありますので、Macユーザーの人は参考にしてください。
一応親指シフト対応のキーボードも存在するようですが値段がアホみたいに高いので現実的ではないです(大体20,000~30,000円)。
実際に『親指シフト』で入力してみる
では先程もお見せした配列図を再度見ながら実際にどのように入力をするのかを見て行きましょう。
文字の上と下を打ち分けるには
まず全てのキーには上下に文字が表示されていますが、下に書いてある文字はそのまま入力すればOKです。
例えば「と」を打ちたいのであれば、右手の人差指でそのまま押せば表示されます。ローマ字入力の時の「J」の位置ですね。
では逆に上に表示されている文字はどうするのか。
その場合は、右手の親指で「親指右キー(変換キー)」を押しながらタイピングすることで入力することが可能です。
なのでそのまま入力すれば「と」のキーも「親指右キー」と同時に押すことで「お」に変換されるということです。
また左手で入力するキーでも右手でやったことが逆になるだけです。
下の文字は左手でそのままタイピングします。上の文字は「親指左キー(スペースキー)」を親指で押しながら左手でタイピングすれば入力が可能です。
濁音を入力するには
先ほどまでは全ての操作が片手でできましたが、濁音の入力の場合は両手を同時に使用する必要があります。
今度は「ば」と入力したいとすると、「親指左キー」を押しながら、右手人差指で「は」を押すことになります。
逆も同じです。「ぜ」と入力したいなら「親指右キー」を押しながら、左手人差し指で「せ」と押せばいいです。
キーボードの配列を見ると、濁音を付けることが出来る文字は全て下に表示されていることに気付いたでしょうか。これによって「左右の親指キーを押しながら文字入力」というような煩わしい操作を回避しているのですね。
半濁音(ぱぴぷぺぽ)はどうするのか
半濁音は見ればわかる通り、全てが右にまとめられています。
入力の仕方も濁音の時と同じで、「ぱ」と打ちたいなら「親指左キー」を入力しながらタイピングすればOKです。その他の半濁音も同様です。
つまり3文字表示されているキーは以下の様になっているわけです。
- そのまま打てば下の半濁音じゃない文字。
- 親指右と同時に打てば上の文字。
- 親指左と同時に打てば半濁音の文字。
英字入力はどうすんの
半角入力にすればローマ字入力の配列に戻るので特に問題は無いようです。
日本語の時は全角で親指シフト、英字の時は半角で入力、といった使い分けでしょうか。
実際に使ってみて感じた『親指シフト』のメリット
この入力方法を愛用している人が多いという理由に納得がいく部分があったのでいくつかまとめます。
操作感が気持ちいい
ローマ字入力とは違い、打ちたい文字をワンタッチで入力できるのは凄く爽快です。
親指シフトでは「指がしゃべる」という感覚を味わえるという文がありましたが、初めて使用した自分も何となくわかる気がします。脳から指、指から文字への信号伝達が恐ろしく早い。
思考の段階の言葉と打鍵とが、 美しく1対1で対応していることが大切なのである。 だから使いこむと、「指がしゃべる」快感を味わうことができるのだ。 言葉を思いついたとたんに、指が自然と動いて、それを書きとめることができる。
引用:NICOLA派宣言
また親指シフトの特徴として、全ての文字が3行にまとめられていることがあります。これにより指の動きを極力少なくしてタイピングが可能なので、長時間のタイピングで疲れにくいという特徴もあります。
入力速度が上がることが容易に想像できる
普段は「か」と打つだけでも「K→A」というプロセスを踏んでいるわけですが、それがポンと打っただけで表示されるわけです。それ以外の濁点、半濁点でも両手を使用すると言ってもタイミング的にはほぼ同時です。
極めるとタイピング速度が上がるというというのはそういう理由からですね。単純に考えてもタイピングに使う時間が1/2になるので。
日本語入力に限定して考えれば、極めればかなりの効率化になるのは想像できます。
しかし、いくつか問題点を感じる部分もあった
素晴らしさを感じる部分もあれば、習得に際していくつかの懸念も生まれました。
親指シフトというのはいつ如何なる場所でも使用できるわけではない
基本的に外部ソフトをインストールしたり、USBメモリを使用したりという方法で親指シフトを使用可能にするわけですが、それってそのPCでもできるわけではないということ。
セキュリティのしっかりしている会社だったらUSBメモリの持ち込みは当然禁止でしょうし、ソフトのインストールも禁止されている場合もあります。
親指シフトに慣れてしまうと、ローマ字入力に戻すことが難しくなる
以下のエントリーで、その副作用について書かれています。
親指シフトを入力すると、それまで当たり前のように行っていたローマ字入力ができなくなってしまうそうです。
それもそのはずです。なぜなら今までの脳内にあるキーボード配列を上書きして、親指シフトの配列にするのですから。機械のように「ローマ字入力の時はこう。親指シフトの時はこう」という風には使い分けられないでしょう。
会社などでローマ字入力を強制されているような環境の場合は、習得は逆にパフォーマンスを下げてしまう恐れがあります。
結論:凄く魅力的だけど、よく考えてから修得をしたほうがいいかも
単純計算でもタイピング速度が2倍になるのですから確かに魅力的な話であると思います。完全に修得した時のタイピングの爽快感は言葉に出来ないものがあるでしょう。
ただ先程も触れた通り、場所を選ばずに使用できるというわけでは無いということです。もし本気で親指シフトを修得したいと考えるのであれば、使用するツールは職場などで規則やセキュリティ上の観点から問題ないのかを確認した方がいいですね。
自分のパソコン1つで稼いでいるフリーランスライターやプロブロガーの方など、そういった心配が無い人は興味があればチャレンジするのも良いかもしれませんね。
僕も色々と調べるうちに凄く興味が沸いてきたのですが、もう少し慎重に考えて修得するかを決めたいと思います。
最後に親指シフトについてもっと知りたい人用にいくつかの素晴らしい記事を紹介して終わりとしたいと思います。
ではまた。
▼親指シフトを修得する人の教科書的なサイト。とりあえずこのサイトのとおりに練習すれば間違いないです。
▼親指シフトに関する有益な情報が満載。
▼実際に親指シフトを修得した体験記などが書かれています。読むとモチベーションが上がります。
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